ケースのデザイン(2)素材

ケースに使われる素材によっても、腕時計の印象がだいぶ変わります。

どのような素材が使われているかは、見た目の美しさだけでなく、加工のしやすさ、強度、重さ、触感などにも影響をあたえます。

1.金

ケースの素材として金を用いるときは、K24(金100%)では柔らかすぎて適さないため、他の金属を配合することがほとんどです。合金にすることで強度を増しつつ、配合する金属により独特な色合いや輝きを持たせることができます。時計に金が用いられるのは、さびないという実用的な理由もあります。

時計の場合は、多くがK18(金の割合が75%)で、25%は他の金属が配合されています(ちなみに、金の含有比率を示す「K」は「Karat(カラット)」のことで、宝石の主さを示す「carat」とは異なります)。

合金の種類で代表的なのは次の3つで、金に、銀と銅を配合して合金を作ったものは「イエローゴールド」、パラジウム、銅、ニッケル、亜鉛を混ぜた場合は「ホワイトゴールド」、銅と銀を混ぜた場合は「ピンクゴールド」となります。

2.銀

銀は、金よりも透明感のある白い輝きが特徴です。価格も金よりは安価なため、時計のケースにはよく使用されます。

ただし、空気に触れると、空気中の物質(硫黄化合物)と反応して、表面が黒ずんでくる性質があるため、輝きを保つためにはそれなりの手入れが必要です。

3.プラチナ

プラチナは高価ですが、白く美しい輝きを放ち、耐熱性、耐食性があり、錆びないこともあって時計に人気の素材です。

重いのが欠点ですが、逆にその重量感が好みという人もいます。特に高級時計や限定モデルにみられる素材です。

4.ステンレススチール

ステンレス(錆びない)スチール(鉄)の文字通り、錆びにくい性質があります。かつては工業用の素材というイメージが強くあまり腕時計には用いられてきませんでしたが、今はとてもポピュラーな素材です。

鉄、クロム、ニッケルの合金で強度もあることから、腕時計のケースに最適の素材で、多く用いられています。

ステンレスはさびにくいとはいっても、塩分には弱く、汗や海水などによって錆びることもあるので注意が必要です。

5.チタン

チタンはステンレススチールよりも軽く、また強度も十分で、錆びにくい素材でもあります。近年では、金属アレルギーを起こしにくい素材として注目されており、常に肌に接する腕時計の素材として適しています。

 
以上のほかに、セラミックス、真鍮、洋銀(洋白)、アルミニウム合金なども、時計のケースの素材として使われます。

歴史の流れからみると、当初、腕時計は貴族のステータスシンボルであったため貴金属を用いたものがものが多かったのですが、いまでは個性を表現するアイテムという側面が強く、多様な素材やデザインのニーズがあります。もちろん、いろいろな素材が用いられるようになったのは、それらの加工技術の発展があったことも関係しています。

2012年5月9日

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